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    【取材をする中で vol.001】 第3回 お母さん、もういいよ/もっと利用したい公的支援

    投稿:   更新:2017/05/26

    カテゴリー:離婚・別居 特集記事

    取材をする中で、気づいたことなどのレポート最終回です。ご覧ください。

    ウタリくらぶでは、実際にひとり親当事者や支援者である方にもインタビューを重ね、家庭生活や子育て、働き方について、支援者においては活動内容について生の声をお聞かせいただき、読者の皆様により身近な情報をお伝えしています。

    ウタリくらぶ記者・西川明子です。

    ひとり親支援に携わって早半年、多くのひとり親当事者、支援活動団体にお会いしてきました。
    取材を進める中で、その方だけの個別の問題だけではなく、多くの方にも共通する問題点、課題などについて、まとめてみました。(この記事は3回にわたって掲載します。)

    お母さん、もういいよ

    子どもが成長してからの離婚

    シングルマザー、シングルファーザーと聞くと、まだ幼いお子さんを抱えたひとり親のイメージがありますが、実際、夫婦関係が破たんをしていたとしても、幼い子どもの生活の維持を優先し、離婚という選択をしていなかった方のお話もお伺いしました。

    その方の場合、夫が定職に就かず、浮気もひどかったという、他人から見るとすぐにでも子どもを連れて家を出たとしてもおかしくないような家庭環境にありました。
    お子さんが喘息があり、体が弱かったということも家にとどまった理由の一つということでした。
    母親が働いて家族の生活費を稼ぐ一方、どうしても子どもの学校などのPTA活動にも関わらざるをえなかったようです。

    彼女から、「夫との関係が悪くても、外で働いて仕事で認められたり、PTA活動などであなたはしっかりしているから任せられるといわれたりと、他から得られる評価があったからがんばれた」という言葉が印象的でした。

    お子さんが成長して、10代になり、持病の喘息も落ち着いてきたころ、幼い時から母親の頑張りをみてきたお子さんたちが「お母さん、もういいよ」と言ってくれたことで、やっと離婚に踏み切れたようです。
    結果として離婚には至りましたが、お子さんの生活環境を大きく変えずにすむために、離婚を先送りにするという選択をした、という一つの事例でした。

    長年にわたって苦労をしたことに関しては、もしかしたら早期に破たんした夫婦関係を清算し、新しい生活を始めたほうが良かったかもしれませんし、それはケースバイケースです。

    子どもの成長に合わせて、それぞれのライフステージに応じて、解決しなくてはならない問題も変化します。

    また「夫の顔が好みだったのよね」と照れながらおっしゃっていたことから、いつかまたやり直せるという一分の期待もあったのかもしれません。
    なにより、この方自身が、精神的・身体的な体力が維持ができたことが幸いしたのではないかと思います。

    もし、耐えられないほどの苦痛があるのであれば、我慢し続けて健康を害する前に、専門的な機関に相談してみることをお勧めいたします。
    渦中にいると日々過ごしていくことが大変すぎて、周りが見えなくなっているとき、客観的に状況を判断してくれる相談窓口があります。
    二人での話し合いがうまく進まないときには、裁判所を利用するという手段もあります。

    ぜひ参考にしてみてください。

    【関連リンク】

    もっと利用したい公的支援 さらにスキルアップをして就業の機会を~高等職業訓練促進給付金・貸付金事業を

    経済的支援を利用

    ひとり親になる選択をした場合、最も心配なことは、「経済的に子どもとの生活を維持できるかどうか」があります。

    女性の社会進出が進んだとはいえ、まだまだ子育て中の女性が継続的に働き続けることができる機会が少なく、非正規雇用の掛け持ちをして不安定な生活を強いられることもあると聞きます。
    安定した生活のために、就業の機会獲得に役立つ職業訓練の制度があります。

    [リンク]自立支援教育給付金(札幌市)

    この対象資格を見ますと、医療や介護、保育など、人とかかわる職業が多い傾向がありました。
    そこに自動車整備士にが加わったことで、特にシングルファーザーさんには福音のように思えます。

    札幌市子ども未来局子育て支援部子育て支援課に電話で問い合わせたところ、
    平成28年度に札幌市で高等職業訓練促進給付金事業の対象資格に追加されたのは、
    自動車整備士・理容師・美容師でした。

    ところが、28年度で制度を利用しているのは、札幌市内ではまだ美容師資格取得の専門学校に通う1名のみだったようです。

    そこで、自動車整備士を養成しているある学校に電話で問い合わせたところ、「その制度自体知らない」とのことでした。
    札幌市としては対象資格養成校について周知の書類を配布しているとのことでしたので、ぜひ養成校側からも、ホームページ等で周知するなど、対象者が受験しやすい体制をとっていただくことを望みます
    また前年度から受講中のひとり親である学生についても対象となるので、在学生についてもぜひ知っていただきたいと思いました。

    さらに、札幌市では、入学準備金50万円、就職準備金20万円、併せて70万円を一年以内に就職して5年間引き続き従事していたら返済の必要がない貸付金事業もあります。
    合わせて利用していただきたいです。

    [リンク]高等職業訓練促進給付金(札幌市)

    編集後記

    これまでの取材の中で、ひとり親当事者にぜひ活用していただきたい公的支援について、よく知られていないケースもあり、ワンストップで情報を提供する場の必要性も感じました。

    すでに既存のひとり親支援団体でも取り組まれているところではありますが、より必要な方に情報が届くような仕組みづくりがさらに進むことを望みます。

    実はある当事者から相談を受けて、その問題の解決にあたり、どこが担当なのだろうと調べてみたことがありました。
    相談者は、ひとり親家庭の子どもだったので、子どもへの支援を調べる際には、教育委員会や児童相談所、市役所などの公的機関に連絡を取ってみても、すぐに必要としている情報に尋ね当たらないということも経験しました。

    ひとり親を支えるということは、間接的にはその家庭で育つ子どもたちへの支援でもあります。
    子どもが何らかの問題を抱えており、例えば監護親の異性関係が悩みの種といった事例であれば、直接親へ相談できないようなケースもあります。

    子どもへ直接的な援助ができる施設やサービスの情報もお知らせしていくことも、大切だと感じられる出来事でした。
    せっかくあるサービスも、必要としている人に届けられて初めて、問題解決の糸口になるはずです。

    ウタリくらぶでは、そういった情報の一つになることも使命の一つと考えています。
    お住まいの地域の自治体にもひとり親支援策があります。
    お子さんとのこれからの生活の一助となりましたら幸いです。

    ウタリくらぶ記者・西川明子

    【ウタリくらぶ内関連リンク】

     【取材をする中で vol.001】 第1回 ひとり親支援の難しさ・共通する問題点・課題点
     【取材をする中で vol.001】 第2回 離婚の原因、実は……

    投稿:   更新:2017/05/26

    カテゴリー:離婚・別居 特集記事

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