ひとり親家庭のための、ウタリくらぶ

ウタリくらぶでは、ひとり親家庭に役立つ情報をお届けします。

    【取材してきました vol.014】えぞ父子ネット:第1回~父子家庭はカッコ書きだった~

    投稿:   更新:2017/11/29

    カテゴリー:北海道 札幌市 離婚・別居 地域別情報 特集記事

    ウタリくらぶの取材、シングルパパへの初取材です!同じひとり親家庭なのにスポットライトが当たることの少ない父子家庭の苦労などをお聞きしました。どうぞご覧ください。

    ウタリくらぶでは、実際にひとり親当事者や支援者である方にもインタビューを重ね、家庭生活や子育て、働き方についての生の声をお聞かせいただき、読者の皆様により身近な情報をお伝えしています。ウタリくらぶ担当記者・西川明子です。

    今回お話をお伺いしたのは、北海道で初めての父子家庭支援団体「えぞ父子ネット」代表の上田隆樹(うえだたかき)さんです。
    シングルパパの子育てとお仕事の両立について、ひとり親支援策と父子家庭についてなど、これまで存じ上げなかったたくさんのご苦労や、制度上の問題点などについてのご経験やご意見をいただきました。(この記事は3回にわたって連載します。)

    第2回~パパにはママのようなネットワークが少ない、だから父子ネット~】を読む→

    ***

    取材のきっかけ

    2016年10月に北海道札幌市で開催された「ひとり親サポーター養成講座@北海道」に、参加した際、ひとり親事例報告で上田さんがお話しをされていたのを拝見し、ぜひお話をお伺いしたいと、共通の知人を介して取材を申し入れました。
    当日は、歯科衛生士復職支援プロジェクト代表のシングルマザー・加藤明美さんとご一緒にお話をお伺いしております。
    歯科衛生士復職支援プロジェクトについての特集記事も後日連載予定です。

    上田隆樹さんプロフィール

    2007年4月に突然死別による父子家庭となる。
    当時、4歳の娘を実家のバックアップなど全くない環境で育てるため、朝は7時15分にお弁当を持たせて幼稚園へ送り、幼稚園が終わると幼稚園バスにて保育園へ、その保育園にて夕食までお願いして夜8時ぐらいにお迎えという生活を約1年継続。
    その後、育児との両立を目指してネット起業&医療経営コンサルトとして5年間生活し、2013年4月に医療法人に復帰。2014年4月から介護老人保健施設事務長。
    2015年6月より再び自営業(ネット物販・診療放射線技師・医療経営コンサルタント)
    現在中学校3年生の娘さんと二人暮らし。(引用:えぞ父子ネット

    【関連リンク】

    シングルパパさんへの初インタビュー

    ●ウタリくらぶ担当記者・西川明子(以下、西川):
    今日は貴重なお時間を割いていただきありがとうございます。また、ひとり親の就職支援にも関わる「歯科衛生士復職支援プロジェクト」の加藤さんをご紹介いただき、うれしいです。
    少しの時間、どうぞよろしくお願いします。

    ●えぞ父子ネット・上田隆樹さん(以下、上田):
    よろしくお願いします。

    ●歯科衛生士復職支援プロジェクト・加藤明美さん(以下、加藤):
    はじめまして。

    ●西川:
    これまで、シングルマザーさんにお話をお伺いする機会がほとんどでしたから、かねてよりシングルパパさんのお話もぜひお伺いしたいと思っていました。
    母子家庭についての社会的支援や理解はかなり進んできているように感じられるのですが、父子家庭についてはまだまだのような印象があります。
    以前、ニュース番組で「父子家庭の現状」を特集しているのを見ました。
    慣れない家事や育児、仕事との両立について短い時間でしたが取り上げられていました。
    幼い娘さんを抱えて突然ひとり親になられた上田さんも、きっと様々なご苦労があったのではないでしょうか?

    ●上田:
    そうだね。10年前にシングルパパになったときに、役所でもらったパンフレット、いまでは「ひとり親」という表記になったけど、まだ「母子家庭」と記載されていてね。
    その横に「(父子)」と書いてあるんですよ。
    父子家庭へ行政からの支援はかなり手薄でね。
    父子家庭が適用になるものは1割ぐらいしかなかった。
    児童扶養手当も、母子家庭よりも収入が多いからという理由で、支給されていなかったんです。
    母子家庭の平均収入が約300万円、父子家庭の平均収入は約450万と数字の上では、父子家庭の方が収入が多いということになっていますが、住宅ローンを抱えていたりと、出ていくお金が多い場合もあるのです。
    あくまで平均だから、収入が高い人や低い人など個人差もあるわけで、収入だけ見てシングルマザーの方が大変だからということにも一概には言えない。
    うちは実家が遠くて、祖父母を頼ることができなかったので、幼稚園のあとに保育園に預けたり、病気の時には、職場が病院だから診察を含めて連れて行ったりして何とかやっていましたよ。

    [参考リンク]母子・父子家庭と標準世帯の平均年収は?収入格差がある理由とは

    ●西川:
    パパさんがお子さんを育てているご家庭は、おばあちゃんが何かとお手伝いをされている印象が強かったので、ご実家を頼りにできない状況ではとてもご苦労が多かったのではないかとお察しいたします。
    また、びっくりしたのは同じひとり親家庭であっても父子家庭には児童扶養手当が出ていなかったんですか?

    ●上田:
    そうなんだよ。
    それがあることがきっかけで、父子家庭にも支給されるようになったんだ。

    えぞ父子ネット 発足のきっかけ

    ●西川:
    児童扶養手当が支給されるようになったきっかけはなんだったんでしょうか?

    ●上田:
    実はそれが、父子の会を立ち上げるきっかけにもなっているんだ。
    10年前にシングルパパになってから、ブログを書くなどして発信はしてたんだけど、ある呼びかけがあったんだ。
    全国父子支援家庭ネットワークとは交流はある?

    [参考リンク]

    ●西川:
    いいえ、まだ父子の会としてお話をお伺いするのは上田さんが初めてです。

    ●上田:
    全国父子家庭支援ネットワークの村上さんは、今いちばん父子家庭のことを政府に働きかけて政策提言をしている人なんだ。
    彼は、仙台在住で、2011年3月11日、東日本大震災の時に一日にして、500世帯が父子家庭になったと言われているんですが、ひとりでその全ての方にどんなことに困っているか、面談して回るなど精力的に活動をされています。
    彼をはじめとして、全国に父子家庭支援をしている当事者の団体や個人が、それぞれ個別に活動をしていました。
    それが、2009年、衆議院議員選挙の時に、民主党がマニフェストに「父子家庭にも児童扶養手当を支給する」ことを含めていたんです。
    これを機に、各地で点在して活動しているシングルパパに呼びかけがあり、まだ父子家庭支援の全国組織がなかったのですが、沖縄を除くすべての県から代表者が出ました。
    私のブログにもこの時に連絡が来てね。一緒にやりませんかと。
    ぜひ父子家庭支援拡充についても政策に生かしてほしいと、全国から東京に何度も集まって、国会議員や政務官に陳情に行きました。
    全国父子家庭家庭支援連絡会を作り、霞が関で記者会見をした模様はNHKで放送されました。
    東京に事務局ができて、当時は新潟県の片山さんが代表、私は「えぞ父子ネット」を立ち上げて、北海道の代表として参加することになった。
    その後、民主党が政権を取り、マニュフェスト通り、父子家庭にも児童扶養手当が支給されることになったんだ。

    [参考リンク]

    [参考PDF]参議院ひとり親家庭への支援策~児童扶養手当法の一部改正案~厚生労働委員会

    ●西川:
    シングルパパの力が政治も動かしたんですね。

    ●上田:
    この後から、母子家庭支援策がだんだん父子家庭にも使えるようになってきたんだよね。

    ***

    【取材してきました vol.014】えぞ父子ネット:第2回~パパにはママのようなネットワークが少ない、だから父子ネット~」に続く…

    ウタリくらぶの取材記事一覧へ

    投稿:   更新:2017/11/29

    カテゴリー:北海道 札幌市 離婚・別居 地域別情報 特集記事

    ウタリくらぶに記事掲載をご希望の方は、お問い合わせフォームよりご連絡下さい。

    その他、制度改正等に伴い掲載された内容が最新のものと異なる場合などお気づきの点がございましたら、お手数ですが同様にお問い合わせフォームよりご指摘頂けますと幸いです。

    ひとり親家庭の方々に役立つ情報発信に、皆様のご協力をお願いします。