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【取材してきました vol.016】日本離婚の子ども協会:第1回~1年越しの取材、子どもの立場から~

投稿:   更新:2018/01/17

カテゴリー:横浜市 離婚・別居 神奈川県 地域別情報 特集記事

離婚の当事者は、親だけではなく、子どももそうです。今回ははじめて、子どもの立場からの視点での取材となりました。子どもの気持ちを理解するヒントにもなるとおもいます。どうぞご覧くださいませ。

ウタリくらぶでは、実際にひとり親当事者や支援者である方にもインタビューを重ね、家庭生活や子育て、働き方についての生の声をお聞かせいただき、読者の皆様により身近な情報をお伝えしています。
ウタリくらぶ担当記者・西川明子です。

今回は、東京を中心に活動をしている方のもとへ、北海道から上京してお話を直接お伺いしました。

実は、取材の申し入れをしてから一年近くたっていました。
その間もメールをお送りしたり、先方からお葉書をいただいたりなど、交流を重ね、いつか直接お会いできる時を楽しみにしていました。

年に一度、私が所属している団体の学習会に参加するときにしか上京のチャンスがないはずでしたが、急に用事が出来て上京できることになり、ぜひお会いしたいとご連絡をさせていただいたのです。
急な申し入れにもかかわらず、予定を調整して下さり、また土地勘のない私に配慮して場所も指定してくださいました。ご配慮に感謝いたします。

さて、どうしてもお会いしたかった取材先とは。(この記事は、3回に分けて掲載いたします。)

第2回~被害者意識を手放すことが必要~】を読む→

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取材のきっかけ

今回お話をお伺いしたのは、以前取材した「コトオヤネットさっぽろ」「親子ネットさっぽろ」両団体が昨年11月に主催した「面会交流学習会」に、講師として来道された「日本離婚の子ども協会」の元代表・中田和夫さんと、現代表の平賀信吾さんです。

昨年の学習会の際に、成人した離婚家庭で育った子どもという立場で活動をされている中田さんに、ぜひ取材をさせてほしいと申し入れていました。
ウタリくらぶのスタッフにも、かつて離婚家庭で育った子どもだった当事者が参加しています。
ひとり親支援の情報を発信しているのは、その家庭で育つ子供たちの幸せを願ってのこと、他なりません。

現在、まさに離婚家庭で暮らしているお子さんたちには、親を支えるための行政や民間の支援策は数多くある中、子どもたちへの直接的な支援としては学習支援、居場所づくりなどが利用できるようになっています。
しかし、心理的な支援はまだあと一歩というところです。
また、既に成人を迎えた離婚家庭出身の方々に対するケアはほとんどありません。
当事者として、20年にわたりこの問題に取り組まれているご経験と、これからの活動についてぜひ知りたいと思いました。

【ウタリくらぶ内関連リンク】

【取材してきました vol.010】コトオヤネットさっぽろ・親子ネットさっぽろ:第1回~子どもに会えない『もうひとりの親』の声~

日本離婚の子ども協会 プロフィール

2016年4月団体設立。
2006年2月開設mixi「親の離婚を経験した子ども」内でのコミュニケーションやオフ会を通じて当事者同士の交流を図ってきた。
インタビュー集「体験集」を発行。
インターネット上のみならず、当事者がつながる場所を作ろうと、団体設立に至る。
不定期に東京都内に集まり、ミーティングを開催。海外の文献を自主翻訳したテキストの読書会などの活動を行っている。

【関連リンク】

中田和夫さんプロフィール

生後半年から父方の実家で育つ。
高校生の時に死別と聞かされていた母が実は生きていることを知る。
社会に出て生きづらさを感じ、受けたカウンセリングで「母に会いに行く」決断をする。
成人している離婚家庭で育った子どもの気持ちの発信、居場所づくりをしている。
講演、新聞・雑誌等メディア掲載多数。
1998年7月より離婚経験者による「アンカップリング研究会」にて、ミニコミ誌「子どもの気もち」の編集を担当。
2006年2月よりソーシャル・ネットワーキングサービス「mixi」で「親の離婚を経験した子ども」のコミュニティを立ち上げ、管理人を務める。参加者は約4000人。
両親の離婚を経験した子どもが大人になってから自身の体験を振り返り語った体験談をまとめた「『離婚の子ども』の物語」を出版。
2016年4月、任意団体「日本離婚の子ども協会」発足、初代代表。46歳(2017年10月現在)。(引用:親子ネット

【関連リンク】

平賀信吾さんプロフィール

家庭内別居の両親のもとで育ち、成人してから両親の離婚が成立。
「mixi」の「親の離婚を経験した子ども」コミュニティに参加し、まるで自分が書いたかのような当事者の声に接し、リアルでも当事者同士の交流の場を作りたいとコミュニティ管理者に提案、「日本離婚の子ども協会」を設立する発案者になる。
2017年1月1日より、代表をつとめる。35歳(2017年12月現在)。

【関連リンク】

1年越しの取材が実現

●ウタリくらぶ記者・西川明子(以下、西川):
本日は急な申し出にもかかわらず、お二人にお会いできて感激です。
この1年間、中田さんには絶対にお会いしてお話をお聞きしたいという思いがウタリくらぶの取材を続ける原動力になってきました。この日が実現して良かったです。
今日はどうぞよろしくお願いします。

●日本離婚の子ども協会前代表・中田和夫さん(以下、中田):
去年11月に札幌に講演会にいったときに、そうおっしゃっていただいていたから、葉書をお送りしたりしてその時を待っていました。
代表は代替わりして一回り年下の平賀君にお願いしたので、ご紹介します。

●西川:
はじめまして、どうぞよろしくお願いします。

●日本離婚の子ども協会現代表・平賀信吾さん(以下、平賀):
はじめまして。

日本離婚の子ども協会の活動について

●西川:
早速ですが、「離婚家庭で育つ子ども」について、今年は私の取材活動にとっても重要なテーマになっています。
というのも、わたしにとっても身近にこんな経験をしました。
うちの長男が現在中学3年生なのですが、父子家庭で育つクラスメイトの女子が、お父さんに彼女が出来たことが辛いと泣いていたので相談に乗ったことがあったのです。
直接その子に私自身がなにかできるわけではないんですが、もし「離婚家庭で育つ子ども」たちが、なにか悩みや問題を抱えたときに、相談できる専門機関がないか調べてみたら、札幌には残念ながら母子家庭支援団体に問い合わせても、離婚家庭で育つ子ども専門の相談窓口はないようでした。
そこで教育委員会に問い合わせるなどして調べてみると、行政が運営し必要なら問題解決に介入ができる相談窓口、メンタルや発達に心配があるときの調整窓口、民間が運営する無料のカウンセリングなど、広く一般に開かれているサービスがひとり親家庭の子どもにとっても役に立ちそうな情報がありました。
うちの子が通う中学校のクラスの実に3分の1がひとり親家庭で、父親が違うきょうだいと暮らす子、ステップファミリーで暮らす子もいます。
それぞれいろいろと悩みを抱えていることを聞くことがあるらしく、うちの長男から「うちは両親が揃っていて本当によかったと思う」といわれると、なんだか、離婚を考えたことがなかったわけじゃないわたしにとってはかなり考えさせられるときとなったんです。
お二人の活動は、まさに「離婚家庭で育つ子ども」当事者同士のグループですから、とても重要な役割を担っていますよね。

【ウタリくらぶ内リンク】

●中田:
今日は、そのような離婚家庭で育つこどもが悩みを抱えている様子について聞くことが出来る機会にもなって、とてもよかったです。
「日本離婚の子ども協会」では、当事者同士が集まり、お互いに話をすることで、『うちの場合はこれもあった、あれもあった』と、悩みを共有できる場であり、お互い「聞いてくれてありがとう」という場にしたいと思っています。
横浜にも「いのちの電話」がありますが、札幌にもそういうサービスがあるんですね。
当事者が利用できるサービスがあるなら、皆で情報を共有できるといいですよね。

[リンク]横浜いのちの電話

●西川:
ウタリくらぶは「ひとり親支援」と謳っているので、主に親御さんについての支援の情報が多いですが、その家庭で育つお子さんたちへの支援が最も重要だと思っているので、役に立ちそうな情報は紹介し続けたいと思っています。

●中田:
わたしが運営しているmixiの「親の離婚を経験した子ども」コミュニティは一時期そういう場でした。
残念なことにmixiというサービスが地盤沈下してしまったので、利用する人は減ってはいますけど。

●西川:
日本におけるSNSの先駆けだったmixiで、約4000人も登録者がいる巨大コミュニティを運営し、長年にわたり当事者同士の交流の場を提供し続けていることは、社会にとって大きな貢献をされてこられましたよね。
現在は、フェイスブックページもありますよね?

●中田:
フェイスブックにmixiの出張所のようなものを作りたいと思ったんですが、ネットから飛び出して実際に会って話そうという発起人が平賀君なんです。
去年「日本離婚の子ども協会」を作った時は私が代表でしたが、今年から彼に代表をお願いしました。

●西川:
当事者の方が出会う場でしょうか。

●平賀:
そうですね。団体設立については和夫さんと二人で考えました。
経験的には20年も活動されている和夫さんの方がふさわしいと考えたので、去年までは代表をつとめてもらい、2017年1月1日からは引継ぎというかたちで、僕が代表をやらせてもらっています。

●西川:
ひとり親家庭ということは、お子さんたちが必ずいるわけで、ひとり親を支えることはその家庭で育つお子さんたちを支えることになりますが、あくまで間接的な支援です。
親にとっては、ベストの選択だと考えた離婚という決断が、お子さんたちにとっては必ずしもそうではないかもしれません。
当事者特有の悩みがあると思います。
mixiのコミュニティもまだアクセスが可能ですが、実際にお会いする場はオフ会というのでしょうか?

●中田:
一応「ミーティング」と呼んでいます。

ミーティングはテーマを決めて

●平賀:
多くの方が来やすい場ということで、東京中心にはなってしまっているんですけど、mixiには関西の方にも知り合いがいるので、もしそっちでもミーティングをしたいということになればお手伝いができると思います。
しっかりした集まりというよりも、サークルというか緩いつながりを組織化してみましょうという取り組みです。

●西川:
関西も離婚率が高いと聞きますから、きっと必要とされているでしょうね。
東京でのミーティングはどのぐらいの開催頻度なのでしょうか?

●平賀:
今年に関しては我々が忙しくてなかなか開催できていなくて、2月と5月に開催しました(2017年10月現在)。
2、3か月に1回ぐらいの頻度ですね。

●西川:
mixiのコミュニティは全国に参加者がいると思いますが、各地に世話人やお当番さんがいて分会をやっているといったイメージでしょうか?

●平賀:
ここは縦のつながりとかが特にないので、声を上げた方が中心に集まるというスタイルをとっています。

●西川:
どういった場所で集まっているのですか?

●平賀:
NPOが提供している安く借りられるスペースを利用しています。

●西川:
1回のミーティングにはどれぐらいの人数が集まりますか?

●平賀:
だいたい、我々を抜かして3人ぐらいでしたね。

●西川:
少人数のグループなら親密な話し合いができますよね。
発行されている小冊子の中の体験談も、そういった集まりから生まれてきたものでしょうか?

●中田:
小冊子については私がメインで関わっていました。
ミーティングは同じ境遇の当事者が、要は深く知り合いましょうということでやっていたんですけど、テーマを設けて個人的にどう思いますかと話題を提供して、そこからみんなの意見を取りまとめて、これからの人生に生かしていきましょうというのが目的です。

●西川:
テーマはどういった話題がでましたか?

●中田:
「あなたはこのグループでどんなことをシェアしたいですか?」「あなたはここではなしをすることで何を目指しますか?」といったテーマです。

●平賀:
団体としての活動目的は固めてあるんですけど、それを参加者に強要するわけではないんです。
我々としてはミーティングに来てくださって、話し合うことで自分の気持ちと折り合いをつけていただくとか、次のステップとして成長・自立・成熟を目指すための場を提供しています。
これまでひとりで辛い経験を飲み込まなくてはならなかったため、悩みを抱えたり負担が大きすぎて病気になってしまったりと、ずいぶん苦しい思いをしている人もいます。
そういった苦しみをもっとメンバーで分散・共有することで負担を減らしていただき、悩んでいるのは一人だけではないんだと知り、それぞれの目指せるかたちを探すといったところを考えております。

●西川:
最初にお伝えした女子中学生のように、自分だけで抱えてしまうと落ち込んでしまいますよね。

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【取材してきました vol.016】日本離婚の子ども協会:第2回~被害者意識を手放すことが必要~

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投稿:   更新:2018/01/17

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