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    【取材してきました vol.010】コトオヤネットさっぽろ・親子ネットさっぽろ:第5回~養育費の使い道、『もうひとりの親』は無権利状態~

    投稿:   更新:2017/08/14

    カテゴリー:北海道 札幌市 離婚・別居 地域別情報 特集記事

    『もうひとりの親』も子どもにとっては血のつながった親。その親の権利はなにひとつないという現実、実情を語ってくださっています。取材記事、ぜひご覧ください。

    ウタリくらぶでは、実際にひとり親当事者や支援者である方にもインタビューを重ね、家庭生活や子育て、働き方について、支援者においては活動内容について生の声をお聞かせいただき、読者の皆様により身近な情報をお伝えしています。ウタリくらぶ記者・西川明子です。

    これまで、主に「ひとり親当事者」または「ひとり親支援」に関わるサービスについて、ご紹介をしてきました。
    今回、お話をお伺いしたのは、『もうひとりの親』の当事者がつくる支援団体です。
    コトオヤネットさっぽろ」のカタラン菊之進さん親子ネットさっぽろ」の佐々木泰子さんにお話をお伺いしました。

    離婚をした両親のうち、子どもと一緒に暮らしている「ひとり親」のイメージが強いですが、子どもと一緒に暮らしていない『もうひとりの親』が存在します。
    その中でも、自由に子どもに会うことができなくなった『子どもと引き離された親』『親と引き離された子どもたち』がいることを知りました。
    離婚をしたとはいえ、子どもたちの実の親なのに、どうして「引き離される」ことになってしまうのでしょうか?(この記事は6回に分けて掲載いたします。)

    ←【第1回~子どもに会えない『もうひとりの親』の声~】を読む
    ←【第2回~離婚後の子育てについての社会的コンセンサス、その課題~】を読む
    ←【第3回~先に連れ去った方が勝ちになってしまっているシステム~】を読む
    ←【第4回~平等ではない裁判、多くの親が諦めるしかなくなっていく現実~】を読む

    第6回~会えなかった時間は取り戻せない、絆の土台~】を読む→

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    養育費は必ずしも子どものために使われるとは限らない

    ●ウタリくらぶ記者・西川明子(以下、西川):
    面会交流については、会わせないという場合もあるようですが、子どもと一緒に暮らしている親が、養育費を受け取っている場合がありますよね。
    もし面会交流ができていなかったとしても養育費は要求されることもあるのでしょうか。

    ●親子ネットさっぽろ・佐々木泰子さん(以下、佐々木):
    同居親の中には、一切の縁を切りたいとして、養育費を受け取らない人もいます。
    ひとり親の貧困問題もありますが、養育費を受け取ればその問題が解消される家庭もあると思います。

    ●コトオヤネットさっぽろ・カタラン菊之進さん(以下、カタラン):
    ひとり親とはいっても、社会的には一度子どもを授かったなら、両親とも対等に、権利も義務も果たすような社会ルール作りがないから、ひとり親の貧困がこれほどまでに問題になっているように思います。

    ●佐々木:
    しかし、ひとり親の貧困問題の解消のために、子どもと一緒に暮らしていない親が財産を差し押さえられてまで、養育費を支払わなくてはならないのかという問題もありますよね。
    養育費は支払っているのに、子どもには会せない、写真ももらえない、なんてこともあります。
    そして、養育費は必ずしも子どものためだけに使われるとは限りません。
    子どもではなく、同居親のアルコールやパチンコに使ったりしたとしてもわからないのです。
    養育費は何に使ってもいいんですよ。

    ●カタラン:
    あるデータでは、面会交流をちゃんとしている方が、しっかり養育費を支払っているという結果が出ています。
    それは心理的に十分想像できますよね。

    ●佐々木:
    養育費については、一緒に暮らしていない男親は約20%しか支払っていないと、よく言われるのですが、女親に関しては、約95%が支払っていないというデータがあります。
    その問題には、男女の収入格差という問題もありますし、パート等の就労格差もあるでしょう。
    なにより、養育費を支払っても、支払っている側には、国からの助成は何もありません。
    養育費を支払っていても、「ひとり親」ではないですし、世帯的には単身世帯になりますから……。

    もうひとりの親は、無権利状態に置かれている

    ●カタラン:
    子どもと一緒に暮らしていないと、法律上「親」ではなくなるんですよ。
    日本は単独親権なので、血のつながりはあっても社会的には「親」じゃない。
    学校行事にすら、自由に参観に行くことも弁護士と連れていかなくてはならないとか、大変になるんです。
    もし同居親が許していなかったら、学校も許可しないんです。

    ●佐々木:
    なんと、一般の人が出入りできるところにも入れなくなるんです。運動会とか。
    でも、こちらが死んだら遺産は子どもに入るんですよ。

    ●カタラン:
    法律上。

    ●佐々木:
    そしてその遺産は、同居親が使っても何の問題ないんですよ。
    この子に残したお金が、大学に入る時にあるか、分からないなんて……。

    ●カタラン:
    共同養育親権がないために、もう一方の親が全く無権利状態に置かれているんです。
    これは社会が作り出している問題です。
    お互いに、権利と義務を、離婚後も遂行できる世になれば、だいぶ問題が解決されるかもしれません。

    ●佐々木:
    時々、同居親の意見として、「別居親は面会交流の時にだけ、いい顔して」って言われたりするんです。
    例えば、欲しがりそうなおもちゃや服など物を持って行ったり、面会交流の時に買ってあげたりする場面の事なんですが……。
    でも、考えてみて下さい。
    月に1度か2度の数時間、その時しか会えないんだから、それしかできないんです。

    ●カタラン:
    2時間とか、限定した時間の中で自分の子どもに対する愛情を表現するには、物を与えようとするしかない。
    もし同居していたら、そんなことをしませんよ。

    ●佐々木:
    養育に関わることが出来たり、子どもの成長が分かるような時間がもっとあれば。
    本当は学校のこととか、いろいろと相談に乗ったりしてあげたいけど、何もできない……。
    でも、こんな状況になってしまう親は、圧倒的に少数です。
    日本では、離婚全体の約7割が、協議離婚です。
    離婚に伴う調停や裁判を起こす方は、徐々に増えつつあるとはいえ、離婚全体の約3割です。
    そのうち、裁判までして争う方は、更に少ない。
    だけど、協議離婚だから、養育費の支払いの協議が出来ているとも、面会交流が確保されているとも限りません。
    同居親は養育費の支払いが滞るという問題が出てきますし、別居親は子どもとの関係維持の問題が出てきます。
    また、離婚に伴って会いたがらない親もいますし、子どもとの関係を諦める親もいます。
    「夫婦としては別れても、子どもとは会いたい」と思い悩み、離れながらも親子関係の維持に苦しむ親は、本当に少数派です。

    ●カタラン:
    うちも協議離婚だった。
    子どもに会わせる約束だったんだけど、だんだん会えなくなったので、調停に出した。
    だからといってこの問題が解決するかというと、そうではないんです。

    ●佐々木:
    養育費の話もそうですよ。

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    コトオヤネットさっぽろプロフィール>

    離婚後の共同子育て社会の実現を目指して活動している当事者の市民団体です。
    連絡先…電話 :011-863-1377

    親子ネットさっぽろプロフィール>

    2016年6月より「親子ネット」より支部認定を受け、札幌市を主に北海道内で活動を開始。
    地方自治体への陳情活動の他、勉強会の開催、別居・離婚に伴う子供と会えない親の支援(情報提供、、ピアカウンセリング等)を行っている。

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