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    【取材してきました vol.010】コトオヤネットさっぽろ・親子ネットさっぽろ:第4回~平等ではない裁判、多くの親が諦めるしかなくなっていく現実~

    投稿:   更新:2017/08/11

    カテゴリー:北海道 札幌市 離婚・別居 地域別情報 特集記事

    前提の制度によって、最初から平等ではない中で裁判をすすめていくこと、諦めざるを得なくなる多くの『もうひとりの親』の方、その生の声をお届けします。どうぞご覧ください。

    ウタリくらぶでは、実際にひとり親当事者や支援者である方にもインタビューを重ね、家庭生活や子育て、働き方について、支援者においては活動内容について生の声をお聞かせいただき、読者の皆様により身近な情報をお伝えしています。ウタリくらぶ記者・西川明子です。

    これまで、主に「ひとり親当事者」または「ひとり親支援」に関わるサービスについて、ご紹介をしてきました。
    今回、お話をお伺いしたのは、『もうひとりの親』の当事者がつくる支援団体です。
    コトオヤネットさっぽろ」のカタラン菊之進さん親子ネットさっぽろ」の佐々木泰子さんにお話をお伺いしました。

    離婚をした両親のうち、子どもと一緒に暮らしている「ひとり親」のイメージが強いですが、子どもと一緒に暮らしていない『もうひとりの親』が存在します。
    その中でも、自由に子どもに会うことができなくなった『子どもと引き離された親』『親と引き離された子どもたち』がいることを知りました。
    離婚をしたとはいえ、子どもたちの実の親なのに、どうして「引き離される」ことになってしまうのでしょうか?(この記事は6回に分けて掲載いたします。)

    ←【第1回~子どもに会えない『もうひとりの親』の声~】を読む
    ←【第2回~離婚後の子育てについての社会的コンセンサス、その課題~】を読む
    ←【第3回~先に連れ去った方が勝ちになってしまっているシステム~】を読む

    第5回~養育費の使い道、『もう一人の親』は無権利状態~】を読む→

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    裁判の現実

    ●親子ネットさっぽろ・佐々木泰子さん(以下、佐々木):
    子どもと一緒に暮らしていない親も、子どもを捨てたわけじゃない。
    大事だから面会したいと思っても、調停でも子どもに会うことが出来るようにならなかった。
    調停は話し合いの場なので、同居親が同意しなければ、話し合いならず、調停は不調となり、結果として、子ども達に会う事が出来るようになりません。
    却って、調査官調査の報告書内に子ども達の言葉として、「会いたいと思っていない」という言葉が残ってしまう結果となります。
    また、調停が不調になって、審判となっても、その審判内容に納得がいかず、裁判をするとなっても、調査官の書類や相手側の代理人などの文章等、様々なもので精神的に追い詰められます。
    どれだけ此方に非があるのかという事を、有る事、無い事含めて、徹底的に書かれてきます。
    此方を無価値化させる事で、同居親は自分の監護親としての必要性を訴えてきます。
    別居親は、あまりにも、その状況が辛くなると共に、子ども達への影響を考え、二の足を踏んだり、相手の要求をのんだりする選択になってしまう。
    それで合意をとって、やっと会えるかなと思ったら、実際は会わせてもらえないこともある。
    そしてまた絶望してしまう。
    裁判も平日に行うので、仕事を休まなくてはならなくなります。
    世間体を気にする方なら、肩身の狭い思いもしますし、様々な状況で、疲れ果て、「もういいや」って言いたくなってしまうんですよね。

    諦めるしかなくなってしまう

    ●コトオヤネットさっぽろ・カタラン菊之進さん(以下、カタラン):
    別居親については権利ゼロですからね。
    調停の合意どころか、裁判所の審判でさえ、約束を反故にしても、何のお咎めもない。
    月一回会わせなさいと決まっていても、いろんな理由をつけて会せなくっても、裁判所は介入しないのです。

    ●佐々木:
    そうしたらまた裁判を起こすしかない。
    間接強制出来るようにしてください。
    親権や監護親を変更してほしい、会わせてくださいと。

    [リンク]裁判所・間接強制

    ●ウタリくらぶ記者・西川明子(以下、西川):
    裁判をまた起こすとなると、また辛い思いをすることになるかもしれませんね。

    ●佐々木:
    そうです。
    お金、時間も犠牲になります。
    間接強制が認められても、金額が2,3万円なら払ってでも会わせないということが可能なんです。

    ●カタラン:
    同居親の許す範囲でしか、子どもと会えなくなったり、交流を持てなくなってしまうんです。
    本当にきついんですよ。

    ●佐々木:
    別居親はこの現実を全く知らないので、調停や裁判を起こしてからの痛みが大きいんです。
    「そういうことなのか……」と知ってしまいますと、先が見えてきます。
    「もういいです、分かりました」と諦めるしかありません。

    子どもがいたことは、記憶から消すことはできない

    ●カタラン:
    男親のほうはあきらめる人が多いですね。
    こういう場合のお父さんは、もともと結婚している間に子どもとの関係が希薄だった場合もあるかもしれないけど、会せてもらえないなら仕方ないやという人は8割ぐらいいると思います。

    ●佐々木:
    あきらめてしまったとしても、大事な子どもがいた記憶があるし、消すことが出来ないので、もし次の家庭を持ったのなら、そこでできた子どもを今度は大事にしようとするのです。

    ●カタラン:
    僕の友達に何人もこの状況の人がいるもんね。
    彼は、子どもが0歳で離婚をして、ずっと子どもの顔を見れていない。
    今は子どもは30歳近いんだけど、記憶から消えないんですよね。
    子どもがいたことを死ぬまで思い続けるんです。

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    【取材してきました vol.010】コトオヤネットさっぽろ・親子ネットさっぽろ:第5回~養育費は同居親の自由に使われる、『もうひとりの親』は無権利状態~」に続く…

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    離婚後の共同子育て社会の実現を目指して活動している当事者の市民団体です。
    連絡先…電話 :011-863-1377

    親子ネットさっぽろプロフィール>

    2016年6月より「親子ネット」より支部認定を受け、札幌市を主に北海道内で活動を開始。
    地方自治体への陳情活動の他、勉強会の開催、別居・離婚に伴う子供と会えない親の支援(情報提供、、ピアカウンセリング等)を行っている。

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    【取材してきました vol.010】コトオヤネットさっぽろ・親子ネットさっぽろ:第1回~子どもに会えない『もうひとりの親』の声~
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    投稿:   更新:2017/08/11

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