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    【取材してきました vol.010】コトオヤネットさっぽろ・親子ネットさっぽろ:第3回~先に連れ去った方が勝ちになってしまっているシステム~

    投稿:   更新:2017/08/10

    カテゴリー:北海道 札幌市 離婚・別居 地域別情報 特集記事

    『もうひとりの親』の当事者が感じる現状の制度の歪みが、お話のなかからたくさんの想いとともに浮かび上がってくるようです。どうぞご覧ください。

    ウタリくらぶでは、実際にひとり親当事者や支援者である方にもインタビューを重ね、家庭生活や子育て、働き方について、支援者においては活動内容について生の声をお聞かせいただき、読者の皆様により身近な情報をお伝えしています。ウタリくらぶ記者・西川明子です。

    これまで、主に「ひとり親当事者」または「ひとり親支援」に関わるサービスについて、ご紹介をしてきました。
    今回、お話をお伺いしたのは、『もうひとりの親』の当事者がつくる支援団体です。
    コトオヤネットさっぽろ」のカタラン菊之進さん親子ネットさっぽろ」の佐々木泰子さんにお話をお伺いしました。

    離婚をした両親のうち、子どもと一緒に暮らしている「ひとり親」のイメージが強いですが、子どもと一緒に暮らしていない『もうひとりの親』が存在します。
    その中でも、自由に子どもに会うことができなくなった『子どもと引き離された親』『親と引き離された子どもたち』がいることを知りました。
    離婚をしたとはいえ、子どもたちの実の親なのに、どうして「引き離される」ことになってしまうのでしょうか?(この記事は6回に分けて掲載いたします。)

    ←【第1回~子どもに会えない『もうひとりの親』の声~】を読む
    ←【第2回~離婚後の子育てについての社会的コンセンサス、その課題~】を読む

    第4回~平等ではない裁判、多くの親が諦めるしかなくなっていく現実~】を読む→

    ***

    平等ではない、裁判

    ●ウタリくらぶ記者・西川明子(以下、西川):
    最近では「親子断絶防止法」についての議論がありますよね。

    [リンク]親子断絶防止法全国連絡会
    [リンク]親子断絶防止法案の問題点―夫婦の破たんは何を意味するのか

    ●親子ネットさっぽろ・佐々木泰子さん(以下、佐々木):
    この法案については、当事者の間でも温度差があります。
    例えば、子どもがある日、妻に連れ去られていなくなるとします。
    本人は暴力を振るわれたから緊急避難をしたという言い分です。
    でも夫の側からすると俺だって親なのだから子どもを取り返す権利があるという。
    双方に言い分があるわけです。
    ちょっと想像してみてください。
    もしあなたに、とても大事な宝物があって、これを無くしたら命にも代えられないぐらいの大切なものを家にしまっておいたのに、ある日突然なくなっていた。
    それを持ち去ったのは、実は信頼していた身内だった、と。
    その傷つきは、どれほどか想像できますか?
    家庭内をうまく過ごすことが出来なかったという意味では、自分にも責任があるけど、そこまでしなくてはならなかったのかと。
    先に子どもと連れて出たほうが、子どもとの関係性をだしにして、お金を、家をよこしなさいという人質交渉をするわけです。

    ●コトオヤネットさっぽろ・カタラン菊之進さん(以下、カタラン):
    子どもを人質にとって裁判を有利に進める。
    別居している親からすると何をされるかわからないので、手も足も出ないわけです。

    ●佐々木:
    裁判でも、平等ではない中で戦うしかありません。
    「お子さんに会いたいでしょ? 離婚届にハンコを押してくれれば会わせてあげますよ」といった駆け引きをすすめる話もあります。
    調停を起こすと、調査官が子どものもとに調べに行くんです。
    一緒に住んでいる親や祖父母などが一緒にいる中で、「どうやって過ごしたらいいと思う?」と子ども達は聞かれても、「もう一人の親に会いたい」なんて言うことが出来ません。
    もしそんなことを言って、一緒に暮らしている親が望んでいなかったらどうなりますか。
    同居している親に「お客さんが来たらこういうんだよ」と言われているかもしれない。
    そうやって調査されてきたものを、別居親は文章で読まされるんです。
    大事だった子どもが「会いたくないと言っている」と書いているものを読まされる。
    それだけでもかなり傷つきます。

    ●カタラン:
    子どもの権利も大事だし、社会的には子どもがファーストでやらなきゃいけないんだけど、親の権利というか、それも二次的なものになるのかもしれないけど、大事なもので、子どもと自由に会うことが出来なくなった方の親は、絶望に突き落とされているんです。
    自殺まで考えて半年や一年過ごした人達を何人も知っています。
    最愛の子どもを奪われる、というのは、別居親の生死にかかわる問題でもあるのです。

    ●西川:
    一緒に暮らしていなくても、血がつながった親子である事実は変わらないですものね。
    先日、「家、ついて行ってイイですか?」という番組を見ました。
    あるサラリーマンのお家に取材班が行くんですけど、ゲームのオタクで、今もその仲間とあってきたところだという方でした。
    一見、趣味に没頭していて楽しく暮らしている独身男性かと思いきや、その方、離婚をして子どもと会えていないお父さんだったんです。
    ゲームの中で娘さんの代わりに女の子を育てていました。
    見ていてとても切なくなりました。

    [リンク]テレビ東京・家、ついて行ってイイですか?
    [リンク]とあるプレイヤーがTV出演!ドラクエが原因で

    やったもん勝ち、というシステム

    ●西川:
    実はわたしも5年ぐらい前に離婚を考えたことがあって、区役所の弁護士への無料相談を利用したことがあるんです。
    その時には、結婚を機に正社員の職を辞めてから、子育てサークルの運営しかしていない無収入の状態だったので、弁護士さんから言われたのは、
    「お子さんが四人いるなら全員連れて家を出てください。婚姻費用がとれます。安心してください。僕はあなたの旦那さんと同じ職業の人の給料を差し押さえて払わせたことがあります」
    ということでした。
    そんなことを全然知らなかったので、びっくりしましてね。
    まだ実行はしていませんけど。

    ●カタラン:
    そんなこと言われたんですね。
    そうやって弁護士が指南するんですよ。
    一番先に子どもを引き取ったら有利になると。
    でも、そこから奪い返すと犯罪になるんです。

    ●佐々木:
    先に子どもを連れて家を出たほうは、緊急避難と言えるけど、逆だと誘拐なんです。

    ●カタラン:
    どっちか先にやったもん勝ちというおかしいシステムなんです。
    やっぱり、子どもは両方の親に対して、同じ思いで接していく権利があるわけだから、親の都合で会えなくさせられるということはあってはならない。
    当事者としてはそう思っています。

    ●西川:
    明石市のようなプログラムが全国にひろがるような運動などが必要ですね。

    ●佐々木:
    総務省からも、役所の戸籍の窓口に置いたりしている資料があるんですが、あまり積極的ではありません。
    支援団体も、子どもと同居している親の立場からの活動が多いです。
    一緒に暮らしていない方の親と両方を支えようというところは、なかなかありません。

    ●カタラン:
    子どもの視点で関わらなくちゃならないんだけど、子どもと一緒にいる方の親に有利に働くとは知らずに調停や家裁に出してしまうんです。
    子どもにどっちがいいか決めてもらう、という形をとることもあります。
    でも、子どもに選ばせるのはひどいよね。

    ●西川:
    アメリカなどの子どもへの支援プログラムだけでも、ぜひ日本でも始めてもらいたいですね。
    離婚家庭のお子さん向けの絵本などもあるようで、その中のメッセージは「一緒に住まなくなったけど、あなたの親であることにかわりはないですよ」というものが多いのです。
    でも実際的には、今までのような関係が維持できないのですね。

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    コトオヤネットさっぽろプロフィール>

    離婚後の共同子育て社会の実現を目指して活動している当事者の市民団体です。
    連絡先…電話 :011-863-1377

    親子ネットさっぽろプロフィール>

    2016年6月より「親子ネット」より支部認定を受け、札幌市を主に北海道内で活動を開始。
    地方自治体への陳情活動の他、勉強会の開催、別居・離婚に伴う子供と会えない親の支援(情報提供、、ピアカウンセリング等)を行っている。

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