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    【ひとり親事例紹介 vol.014】龍滝知佳さん:第2回~支援活動をしてきた中での葛藤、そして引っ越しと離婚~

    投稿:   更新:2018/02/26

    カテゴリー:北海道 札幌市 離婚・別居 地域別情報 特集記事

    生きがいや、やりがいがプラスされてこその人生……龍滝さんの生き方からいただけるメッセージがあります。どうぞご覧ください。

    ウタリくらぶでは、実際にひとり親当事者や支援者である方にもインタビューを重ね、家庭生活や子育て、働き方についての生の声をお聞かせいただき、読者の皆様により身近な情報をお伝えしています。ウタリくらぶ担当記者・西川明子です。

    今回は、北海道札幌市在住のシングルマザー、マザーズスキルサポート代表・龍滝知佳さんに、お話をお伺いしました。(この記事は、3回に分けて掲載いたします。)

    ←【第1回~小樽市で子育てしながら子育て支援活動。考えられることはやりつくした~】を読む

    第3回~出会いは人生の宝~】を読む→

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    点と点をつなぎたかった

    ●ウタリくらぶ記者・西川明子(以下、西川):
    カフェ運営とイベント企画と、小さいお子さんを連れながら、皆の先頭に立って行うということは、小樽では未だかつてなかったんじゃないんですか?

    ●マザーズスキルサポート代表・龍滝知佳さん(以下、龍滝):
    そうね、なかったでしょうね。
    ベビーマッサージキャラバンは小樽市の助成金がとれたので3年やりました。

    ●西川:
    他にそのような企画をする方がいなかったのでしたら、行政も地域の子育て中の方も大歓迎だったのではないですか?

    ●龍滝:
    ところがね、行政とのやり取りは結構葛藤がありました。
    わたしは小樽市の子育て環境をどうにかしたい! 盛り上げたい! と思って企画書を作ってプレゼンを行政の担当者に対してさせていただいたこともありました。
    ところが、当時の子育て支援担当が『こちらはやるべきことはやっています。やりたかったらご自分でどうぞ』という感じでした。

    ●西川:
    なんかすみません、元小樽市民として。
    小樽は古き良き街並み、歴史、美味しい食べ物、と観光客には人気の町ではあるのですが、実際、住んでいる人たちの生活は不景気で大変ですし、まだ街を支えている人たちの意識も古いままのような気がします。
    美味しい食べ物というのは海で獲れる海産物の素材がいいということもありますから、今後環境に漫然とするのではなく、ホスピタリティとか市民のマインドが変わっていかないといけないかなと感じますね。
    実は今、勤務している会社の支店が小樽にありますが、上司が観光協会や行政ともいろいろと話をすることがあっても、なかなか思いが伝わらないので残念に感じるとともに、『俺がなんとかしてやる!』って気持ちが強いみたいですね。
    龍滝さんのように、助成金事業をされたり、自費でカフェを運営されたりと、皆を引っ張っていくような牽引力のあるカリスマが、必要なのだと思います。

    ●龍滝:
    そうね、そういう思いがあったから3年続けたんですが、諸事情でわたしがカフェを閉めてしまい、イベント企画もやらなくなってしまったら、小樽から子育てイベントは無くなりました。
    また、活動をしていた時には、市の施設である勤労女性センターの20~30代の利用率が倍以上に上がったんですが、その後は稼働率が30%以下に下がってしまったようです。
    なかなか、自ら子育て支援活動をやれる人がいないということが課題ですね。

    ●西川:
    そういう現状は残念ですが、いかに龍滝さんが小樽の子育て支援に貢献していたか、っていう偉大さが改めて感じられるところでもありますね。
    きっと活動されていた間に、龍滝さんに出会えていたママさんやお子さんたちには、いい機会だったんではないでしょうか?

    ●龍滝:
    いえ、「出る杭は打たれる」と言われますように、色々やり過ぎて一部の方から疎まれてましたよ。
    でも私をきっかけに、みんなが知り合いになって、その当時、お友達同士になった方々がいまだに仲良くしているという話を聞くと嬉しくなりますね。

    ●西川:
    当時関わっていたお子さんたちは小学生になったぐらいでしょうか?

    ●龍滝:
    9年前からなので、小学生からまだ小さい子もいると思いますよ。

    ●西川:
    少なくともその子たちのお母さんたちの子育て仲間を作ることはできましたよね。

    ●龍滝:
    一番の目的は、点と点をつなぐことだったから、コミュニティを作ることが出来たし、一度できた仲間との、結束力はあると思います。

    小樽市のひとり親支援

    ●龍滝:
    実は小樽には、ひとり親支援について、札幌よりも手厚いところがあるんですよ。
    たとえば、ファミリーサポートの利用料についは、ひとり親家庭は半額になるんです。
    そういった情報も実はあまり知られていないのです。

    [リンク]小樽市役所・ファミリーサポートセンター

    ●西川:
    そうなんですね。
    実はウタリくらぶの取材の中で、『小樽市は高等職業訓練促進給付金等事業を利用しても、通常減らされる他の支援金が据え置きになる』という情報を聞き、先日も小樽市役所の担当者にお電話で確認をしたのですが、うまく話が通じなかったんです。
    結局、わたしが当時の資料を見返してみると、生活保護費の事だったんです。
    生活保護家庭の方が、専門性のある資格を取得することによって、経済的に自立するために有効な支援策なのに、行政の担当者がよくわかっていないとはとても残念でした。
    これにはたぶん行政の担当者が転勤や配置換えがあり、何年も同じ部署で担当に当たっているわけではないというやむを得ない仕組みも関わっていると思いました。

    [リンク]小樽市役所 生活保護制度

    ●龍滝:
    小樽市は少子高齢化が特に進んでいる街なので、高齢者福祉には力を入れています。
    これから街を支えていく子どもたちのためにも、ぜひ子育て支援について、もっと力を入れてもらえるといいなと思います。

    ●西川:
    わたしもまだ本籍地が小樽市にあるというご縁がありますから、何かできることがないか考えてみますね。

    札幌に引っ越し、ひとり親になるまで

    ●西川:
    小樽市で、子育て支援をけん引してきた実績をお持ちでしたが、札幌に引っ越してくるには何か理由があったのでしょうか?

    ●龍滝:
    母が亡くなったことをきっかけに、父は家事ができない人だったので、一緒に住むために家族で実家に引っ越してきました。
    その時は元夫も一緒でした。

    ●西川:
    そうだったんですね。
    では、立ち入ったことをお伺いしますが、離婚されるきっかけはなにかありましたか?

    ●龍滝:
    人との付き合い方や人生観・経済観念、家事や子育てについていろいろと意見が合わないことはあったんですけど、一番の理由は、私の子育て支援活動について『お前のやっていることなんて、仕事とは認めていない。』という言葉でした。

    ●西川:
    それは、私も言われたことがあります。
    一番嫌なセリフです。

    ●龍滝:
    そうですよね……。
    『お前のやっていることなんて応援するわけがないだろう。部屋もこんなに汚くて、やる事やってからやれよ!』と言われたときに、かろうじてつながっていた細い線が、ぷちっと切れた音がしました。
    それから一か月ぐらい口をきかずにいて、娘がインフルエンザになった時に部屋を別にしてもらって、2か月ぐらいたったときに向こうから『別れよう』って言われました。
    その時は、娘の小学校入学が控えていたので、急いで公正証書を作ったりして、スピード離婚をしました。

    ●西川:
    それは、キレるポイントです。
    地域のためになる子育て支援活動は龍滝さんの心の支えでもあったはずです。
    実際、大きな功績を残されていました。
    プライドを持ってやっている活動に対して、ただお金を稼ぐためだけではない、非常に価値あることに対して、全く評価していないという言葉は人格を全否定されたような気持になります。

    ●龍滝:
    実際にね、家事が相手の理想通りにやれなかったことについては、すみませんという気持ちはありますよ。
    家事をもっとやったり、PCに向かう時間をもっと夫婦で話をするために使ったらよかったのかもしれないし。
    でも、生きていくってそれだけじゃない。
    生きがいや、やりがいがプラスされてこその人生だと思うのよ。
    わたしは相手が趣味の釣りに行くっていっても、あなたの人生にとってプラスになるならどうぞ行っておいでって送り出していたつもりだった。
    人生の目的地が、お互いに求めているものが全く違うということは、わかっていたんだけど見ないようにしていた。
    仕事がうまくいかないことも、私のせいにされたこともあった。でも子どものために、何とかやっていこうと思っていたんだけど、プツンと切れてしまったから。

    ●西川:
    いろんなシチュエーションが自分とリンクすることが多いので、すごく心に突き刺さってきます。
    それでもお子さんのために耐えていこうとされていましたけど、離婚を決断されたのですね。
    お子さんたちの様子はいかがだったでしょうか?

    ●龍滝:
    娘には『ごめんね、パパがいなくなるから』といったら、『大丈夫、パパはわたしの心のなかにいるから』と言ってくれました。
    実際に出ていく時にはしばらく泣いていたけど、30分後にはケロッとしていました。
    思った以上に大丈夫だったので、もっと早くしておけばよかったかなと思いました。

    ●西川:
    そうだったんですね、お子さんたちとパパはその後会っていますか?

    ●龍滝:
    いえ、今はもう会っていません。
    彼が子供と過ごすより、自分の時間を優先するようになったので、昨年から面会を止めました。
    娘に『ごめんね、もうパパ、本当にいなくなっちゃったわ。』と伝えたら、『よかったね、ママ。自由になったじゃん』って言ってくれたんです。
    すごく楽になりました。

    ***

    【ひとり親事例紹介 vol.014】龍滝知佳さん:第3回~出会いは人生の宝~」に続く…

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    <龍滝知佳さんプロフィール>

    北海道札幌市在住、子育て支援活動と企業の研修担当講師としてのフルタイム勤務を両立している。
    小学4年生の長女と、保育園年長組の長男の母親。(2018年2月現在)
    「子供がいるからこその出会いと学びを大切に」をモットーにマザーズスキルサポート代表として託児付きの講座やイベントなどを多数企画・主催している。
    チャイルドセラピスト、ベビーマッサージ講師として活動するほか、様々な企業のイベント企画やPTA向け育児講演会の講師としても活躍。
    4年前までは小樽市に在住し、イベント主催・子連れ向けカフェ運営等、多岐に渡って活動を行っていた。メディア掲載多数。

    【参考リンク】

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    【ひとり親事例紹介 vol.014】龍滝知佳さん:第3回~出会いは人生の宝~」に続く…

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    投稿:   更新:2018/02/26

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